2025 AUTOBACS SUPER GT Round 1 OKAYAMA GT 300KM RACE

2025 AUTOBACS SUPER GT ROUND 1
「OKAYAMA GT300KM RACE」予選レポート
SUPER GT 2025年シーズン開幕戦、23号車Zは予選7位
4月12日(土) 天候:曇り 路面:ドライ
■公式練習結果:11位 1'18.429(千代)
■公式予選結果: 7位 1'16.933(千代)
SUPER GT 2025年シーズンが岡山国際サーキットで幕を開けた。千代 勝正にとって2025年はニッサンのエースチーム23号車「MOTUL AUTECH Z」に移籍し、2年目のシーズン。今年はパートナーに2023年まで2シーズンともに戦った高星 明誠が加わった。千代のGT500クラスでの3勝はすべて高星とのコンビによるもので、その記憶が残るファンの期待は大いに高まっている。
シーズン最初のセッション、公式練習が9時30分にスタート。23号車Zはまず千代が乗り込み、オフシーズンの間に開発を進めてきた車両のチェックをした後、高星が走行を重ねてセットアップを進める。後半は再び千代に代わりロングランの後、最後の占有走行は高星が予選アタックシミュレーションを行った。路面状況が悪かったせいか、占有走行でベストタイムを更新するチームは少なかった。23号車Zも同様となり、11位で公式練習を終えた。
午後2時33分より、GT500クラスの公式予選がスタート。今年は合算タイム方式ではなく、一昨年までと同じノックアウト方式が採用されている。23号車ZのQ1アタックを担当するのは高星。23号車Zは開始から約3分を経過したあたりでコースインし、4周目からアタックに入り1分17秒987をマークすると、5周目のラストアタックで1分17秒637へとタイムアップを果たし、9位でQ2進出となった。
GT500クラスのQ2は午後3時11分にスタート。23号車ZはQ1と同様のルーティンで開始から約3分後にコースインすると周回毎にペースを上げ、5周目にアタックへ。セッション後半はコースレコードを更新したトップ2台をはじめ、ハイレベルな上位争いとなった。そんな中、高星からのフィードバックでアジャストしたマシンのポテンシャルをしっかりと発揮し、千代は1分16秒933をマーク。Q1から2つポジションを上げ、23号車Z は7位で開幕戦の公式予選を終えた。

■千代 勝正コメント
「午前中はコンディションの変化が大きくセッティングを進める上で迷う部分もありましたが、自分たちがオフシーズンからやってきたことを信じて、あまり大きく変えずに予選に臨みました。Q2は高星選手のフィードバックを活かしてクルマとタイヤを信じてアタックに挑んだ結果、ポテンシャルの9割以上は引き出せたと思います。それでもトップとは差があったので、まだまだ見直さなければならないことが多いと感じました。明日は雨の予報なので、荒れるレースになる可能性が高そうですが、その中で着実に自分たちのレースをして、ポジションを上げていきたいと思います」
2025 AUTOBACS SUPER GT ROUND 1
「OKAYAMA GT300KM RACE」決勝レポート
SUPER GT2025年開幕戦、23号車Zは6位フィニッシュ
4月13日(日) 天候:雨のち曇り 路面:ウェット/ドライ
■決勝結果:6位 2h55'39.337 82周(千代→高星)
SUPER GT 2025年シーズン開幕戦の舞台、岡山国際サーキットは事前の予報通り、前日の夜から雨に見舞われた。午後から回復に向かうとの予想だったがレーススタート時刻の午後1時10分になっても雨はやまず、レースはセーフティーカー先導でスタート。路面温度も15度と前日とは大きく異なり、その悪条件が影響してレースは大荒れとなった。
4周のセーフティーカーランを経て、レースは5周目にリスタート。千代 勝正がスタートドライバーをつとめる23号車「MOTUL AUTECH Z」は7位からスタート。1コーナー立ち上がりで早速、大きなアクシデントが発生する。6位の38号車がスピンし、23号車Zとあわや接触かと思われたが、千代は冷静な判断でこのアクシデントを回避。しかし、後続の2台は避けきれずにクラッシュしてしまう。このアクシデントで3台がストップし、セーフティーカーが入り、その後にレースは赤旗中断となった。23号車Zはこの時点で6位に位置していた。
午後1時55分にレースはセーフティーカーランで再開し、11周目にリスタート。ここで今度は、23号車Zがスピンを喫してしまう。順位は一気に12位まで後退。だが14周目に3度目のセーフティーカーが入り、前との差が詰まったことで、挽回のチャンスが見えてきた。千代はそのチャンスを着実に活かし、19周目に10位と再びポイント圏内に順位を戻すと、さらに1台をオーバーテイクして9位へとポジションアップしていた。
スタートから徐々に雨の量は少なくなったが、レース中盤のルーティンピットインで、ドライ用のスリックタイヤに交換するには、まだリスクが高く、12台すべてが第2スティントもレインタイヤでスタートした。23号車Zも48周目にピットインし、ドライバーを高星 明誠に代えてコースイン。そして、ここで選んだレインタイヤがコンディションにマッチしていたことから、23号車Zは一気にペースアップ。すぐに前に追いつくと次々とオーバーテイクを決め、57周目には5位浮上に成功した。
レースはさらに終盤にも展開を変えた。雨は後半になって完全にやみ、56周目から2回目のピットインでスリックタイヤに替えるマシンが現れ始める。23号車Zも62周目にこの作戦を敢行したが、スリックタイヤのグリップ力が上がる迄の間にライバル達が先行し、順位は9位に後退する。その後、前2台がストップしたことで7位で82周のレースのチェッカーを受けた。レース後、前の1台がタイム加算ペナルティを受け、最終的に23号車Zは2025年シーズン開幕戦のレースをスタート順位より1つ上の6位でフィニッシュした。
■千代 勝正コメント
「5周目のアクシデントを間一髪で避けられたのは良かったのですが、次は自分がスピンしてしまい振り出しに戻ることになりましたが、そこからウェットコンディションでのペースが良かったので“まだ戦える”と気持ちを切り替え、しっかりとバトンを繋ぐことを考えて走りました。その結果、第2スティントのペースが良くて挽回することができ、まずは着実に5ポイントを獲得できてよかったです。雨風で寒い中、現地で最後までレースを見守ってくれたファンの皆さまにも感謝します。
昨年、課題だったウェットコンディションについても、オフシーズンのテストの経験も含めて理解が大分深まってきていて、去年よりもライバルと戦えている実感があります。次の富士はZに相性の良いコースなので、スタンドで応援してくれる多くのニッサンファンに優勝を見せられるように頑張ります!」