2020 SUPER GT Round 8 FUJI GT 300KM RACE
2020 AUTOBACS SUPER GT Round 8
「たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE」予選レポート
SUPER GT最終戦予選、3号車GT-Rは9位
11月28日(土) 天候:曇り 路面:ドライ
■公式練習結果:12位 1'28.231(平手)
■公式予選結果:9位 1'27.414(千代)
新型コロナウイルス感染拡大の影響によりイレギュラーなシーズンとなった2020年SUPER GTは無事、富士スピードウェイで最終戦を迎えることになった。観客入場が制限され、ファンの声援は例年よりも少なかったが、その中で各チームは変わりなく全力で戦い続けてきた。開幕戦以来となるノーハンデの戦いは各チームにとって1年間の進化を示す戦いでもある。3号車「CRAFTSPORTS MOTUL GT-R」は開幕戦で7位入賞を果たして以降、概ね安定した戦績を残してきたが、今シーズン未到達の優勝、表彰台登壇をターゲットにチームは結束を固めて最終戦に挑んだ。
午前中に行われた公式練習では3号車GT-Rは平手 晃平がセットアップを確認し、タイヤ比較を行った後、千代 勝正がロングラン及び予選シミュレーションという流れでメニューを消化していく。順調にメニューを消化していたがセッションの最後にトラブルが発生し、この修復作業に時間を費やした結果、予選シミュレーションを100%行う事が出来ないまま予選に挑むこととなった。
GT500クラスの予選Q1は、午後1時45分より開始。路面温度が17℃と低くなったことで各マシンの動き出しはいつもよりも早く、開始から2分を過ぎたあたりから各マシンは概ね3周のウォームアップを経てアタック周回に入っていく。Q1を担当する千代を乗せた3号車GT-Rはもう1周多い3周をウォームアップに充てる戦略を採った。
千代はターゲットの4周目に1'27.523をマークし6位に浮上する。その後、ライバルたちがタイムを伸ばしてきたことで順位は後退。これに対し千代はチェッカー間際にラストアタックを敢行し、セクター1でベストを更新、Q2進出圏内復帰に期待がかかった。しかしセクター3でグリップのピークが過ぎ、1'27.414とタイムアップを果たすも、わずか0.035秒差でQ2進出を逃すことになった。3号車GT-Rは最終戦決勝に9番グリッドより挑むことになった。
■千代 勝正コメント
「予選では低くなった路面温度に対し、タイヤの温度をうまくコントロールすることができませんでした。Q2進出はギリギリのラインになる事は分かっていましたが、結果的にベストを1周にまとめられていれば進出できていたので非常に悔しい予選になりました。明日は今季最後のレース、前後にチャンピオン争いをしているチームがいるので最初から激しいバトルになりそうですが、その中で自分たちのレースをしてベストな結果を出してシーズンを終えたいと思います」
2020 AUTOBACS SUPER GT Round 8
「たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE」決勝レポート
SUPER GT最終戦、3号車GT-Rは6位入賞
■11月29日(日) 天候:曇り 路面:ドライ
■決勝結果:6位 1:41’30.715(65周)(平手→千代)
富士スピードウェイで行われる今季最終戦、決勝は午後1時にスタート。曇り空の下、路面温度が17℃と低くなったことから急遽フォーメーションラップが1周追加され、レース周回数は65周に減算となった。3号車「CRAFTSPORTS MOTUL GT-R」はスタートドライバーを平手 晃平が担当し、9番グリッドからローリングスタートを切った。
チャンピオン争いがかつてない混戦となり、さらに舞台は富士スピードウェイということで、スタートから随所で激しい競り合いが繰り広げられた。3号車GT-Rはその中で1周目に順位を落とすもすぐに挽回し、トラブルで後退するマシンもあったことから5周目に8番手へと浮上。ところが、その後は徐々にタイヤが厳しくなり15周目には再び10位へ。しかしながら、この状況はチームも想定していたことで、前半をミニマムにしロングスティントの後半に追い上げるという作戦だった。予定通りの23周目に平手はピットへと向かった。
3号車GT-Rは今季、何度も順位浮上に貢献してきたピット作業の早さに最終戦ではさらに磨きがかかり、ここで大きなマージンを得る。今回はタイヤ無交換作戦に出るチームもあったが、3号車GT-Rは4本交換で順位を上げた。そして代わった後半担当の千代 勝正がアウトラップから猛プッシュ。ポジションを9位に戻して後半をスタートさせた。
長い距離を走ることになる第2スティントでは、冷静にタイヤをマネージメントしながら前を狙っていくというのが3号車GT-Rの作戦だった。千代はその通りに安定したペースをキープし続けると、32周目に前の1台がトラブルで後退したことで8位に浮上。そしてレースが終盤に近づくにつれ徐々に周りのペースが落ち始め、3号車GT-Rのペースが際立ってくる。ここから千代の反撃が始まった。
一時は10秒以上の差があった6位、7位との差を毎ラップ詰めていき、50周目には7位の12号車に追いつく。千代は、翌周の1コーナーでバトルに持ち込み、アウト側から並んで、続くコカコーラーコーナーではインからオーバーテイク。
さらにその周の最終コーナーで6位、38号車の背後へ。ストレートをサイドバイサイドで駆け抜け、そのまま1コーナーで果敢にブレーキング勝負を挑む。インに飛び込み、オーバーテイクに成功。これで3号車GT-Rの順位は6位となった。その勢いはその後も続き、5位の8号車にも1.5秒差まで追いついたが、そのまま6位でチェッカーを受けた。どのチームも経験したことのない真冬の最終戦ということで戦いがよりヒートアップし、タイヤや燃料のマネージメントが難しい一戦となったが、CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rはミスの無いレース運びを見せて文字通り、今シーズンの集大成となる結果を手にする事が出来た。
■千代 勝正コメント
「開幕戦と同様、ノーハンデでの戦いでNISSAN勢最上位の6位となりましたが、決して満足のいく結果ではありません。しかしながら、ドライバー含めチーム全員がベストを尽くせたレースだったと思います。シーズンを振り返ると、第5戦でのスタート直後の接触によるノーポイント、そして最も狙えた第6戦で表彰台に届かなかったことなど、ハンデで有利なときに上位フィニッシュができなかったことが反省点です。
今季は1年ぶりにGT500に復帰してチームとともに成長し続けることができたと思いますし、レースではオーバーテイクも多く、追い上げるレースができたことは良かったと思います。そして、このイレギュラーな状況下の中で全8戦のレース開催が叶うよう尽力してくれた関係者、応援してくれた全ての人たちに改めて感謝したいと思います。有難うございました。」