REPORT

AUTOBACS SUPER GT ROUND 8 MOTEGI GT 300KM RACE GRAND FINAL

2025 AUTOBACS SUPER GT ROUND 8
「MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL」予選レポート

SUPER GT 2025 最終戦、23号車Zは予選3位

11月1日(土) 天候:晴れ 路面:ウェット/ドライ
■公式練習結果:10位 1'37.464(高星)
■公式予選結果:3位 1'36.069(千代)

4月に開幕したSUPER GT 2025シーズンは、モビリティリゾートもてぎで最終戦を迎えた。前半戦は不調で思うようにポイントが獲得できず、第5戦で優勝しながらもタイトルの可能性を失っている23号車「MOTUL AUTECH Z」は開幕戦以来の、このノーウェイト戦で真の実力をファンにアピールし、来季への期待に繋げるために高いモチベーションを持って挑んだ。


前日の夕方から降り続けた雨は夜半には止んだものの、午前10時10分の公式練習開始時はまだ路面が濡れており、各チームは路面を確認した後、しばらくピットで待機。23号車Zもウェットタイヤで一旦コースインしたが、本格的な走行開始は路面が乾き始めてからとなる。公式練習開始から約30分後よりドライ用のスリックタイヤに履き替えた各マシンはタイムを更新していき、23号車Zも順調に周回を重ねたが、持ち込みセッティングに改善の余地が見られた。チームは午後からの予選に向けて大幅なセッティングの見直しに入った。


午後2時33分開始の予選Q1では、公式練習10位の23号車Zが堂々の上位争いを演じる。Q1を担当した高星 明誠は開始からすぐにコースインすると、3周のウォームアップ周回を経てアタックへ。この時点でのトップタイムをマークする。その後、ライバルたちが36秒前半や35秒台をマークし順位は下がっていったが、高星は続けて翌周もアタック。ここで1分36秒103とタイムを更新し、4位でQ2進出の権利を獲得した。


Q1の流れを鑑みて23号車Zは、千代 勝正が担当する15時11分開始のQ2では戦略を変えた。路面温度が予想よりも低かったことでウォームアップに時間がかかると想定していたが、高星のフィードバックによるとそれほどではなく、開始直後にコースインし、3周をウォームアップ周回としたあたりはQ1と同様も、照準は翌周のワンアタックのみ。タイヤのピークをうまく引き出すことに成功した23号車Zがマークしたタイムは1分36秒069。3位で最終戦の予選を終えた。明日のレースでは、今季2度目の表彰台獲得の期待がかかる。


■千代 勝正コメント
「朝の走行でセッティングを見直したことで、Q2ではクルマとタイヤが持っているポテンシャルをしっかりと出し切れたと思います。今季前半戦ですごく苦労して予選トップ10に入れない状況も何度か経験した中で、現在はトップ3の実力があることを示せたことはポジティブだと思います。さらに上に2台いることで、もっと強くて速いクルマを目指さなければならないという、良い刺激も得ることができました。今年はニスモフェスティバルがないので、明日のレースではもてぎに来てくれたニスモファンの前で最後に、最高の走りを見せたいと思います」


2025 AUTOBACS SUPER GT ROUND 8
「MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL」決勝レポート

SUPER GT 2025 最終戦決勝、23号車Zは2位で今季2度目の表彰台を獲得

11月2日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ
■決勝結果:2位 1h51'06.814 63周(高星→千代)

前日に続き秋晴れとなったモビリティリゾートもてぎで、SUPER GT 2025シーズン最終戦の決勝が行われた。3番グリッドからスタートする23号車「MOTUL AUTECH Z」はレース前のウォーミングアップでのフィーリングにやや不安を抱えていたが、これが前半戦の不調を後半戦で一気に巻き返したチーム力なのか、予選同様そこからの大幅な改善が奏功し、午後1時スタートの決勝本番では素晴らしいパフォーマンスを見せた。


23号車Zは高星 明誠がスタートドライバーを担当。路面温度が低かったことでタイヤがまだ温まり切っていない隙を突かれオープニングラップで4位に後退すると、その後も第1スティントは我慢の展開を強いられる。抜き難いコースレイアウトということで20周目までは4位で耐えていたが、21周目にはついに5位へ後退。その翌周にルーティンピットインのミニマム周回を迎えたが、23号車Zは23周目にピットイン。第2スティントでの巻き返しを千代 勝正に託す。


23号車Zのピットインは自陣ピット周りでの混雑を避けるためにミニマム周回の翌周となったが、それでもひとつ順位を上げることに成功すると、そこからさらなる追い上げを開始。第2スティントのペースは速く、33周目に1台をパスし再び表彰台圏内に復帰した後も、その時点で約8秒ほどあった2位とのギャップをどんどん詰めていく。40周目には4.6秒差、45周目には1.5秒差、47周目にはコンマ3秒差。トップと2位も接近しておりレースはまだ16周を残していることから、今季2勝目も現実的になってきた。



単独のペースでは前の2台に勝っていた23号車Zはそこから、果敢な攻めを見せる。だがストップ&ゴーレイアウトのもてぎでの攻略は難しく、50周目にはホームストレートで並びかけるも、惜しくも抜き切ることはできなかった。気温が下がってきた終盤はタイヤカスのピックアップにも悩まされたが、最後まで諦めることなく攻め続けて、63周のレースを3位でフィニッシュし、今季2度目の表彰台登壇を達成した。その後、上位の1台が車検で失格になったため繰り上がり2位となっている。23号車Zはドライバーズランキング7位、チームランキング6位で2025シーズンを終えた。


■千代 勝正コメント
「今回、気温と路面温度が想定よりも低かったことで第1スティントのタイヤがマッチせず、前半の後退は仕方がなかったと思います。一方第2スティントでは、本来のチームのパフォーマンスを出すことができたと思います。今シーズンは前半戦でかなり苦労したので、ノーウェイトでの表彰台は正直想像できていませんでしたが、その中で表彰台を獲得できたのは、日産/NMC、ブリヂストンタイヤとチームに関わる全ての方々の努力を成果です。勝つことは叶いませんでしたが、確実に手応えを感じた部分と、まだ改善しなければならない部分がこのレースで明確になりましたので、これを来年以降に繋げていきたいと思います。今シーズンも全国のサーキットやTV、SNSを通じて、たくさんのご声援をいただきまして本当にありがとうございました!」


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千代 勝正

レーシングドライバー千代勝正です。 2025年シーズンは#23 NISMO からSUPER GT GT500クラスに参戦します。 応援宜しくお願い致します!

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