2024 AUTOBACS SUPER GT Round 5 SUZUKA GT 300KM RACE
2024 AUTOBACS SUPER GT Round 5
「SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL」予選レポート
SUPER GT2024年シーズンファイナル、23号車Zは予選11位
12月7日(土) 天候:晴れ 路面:ドライ
■公式練習結果:10位 1'45.146(クインタレッリ)
■公式予選結果:11位 3'28.985(Q1:クインタレッリ、Q2:千代)
台風の影響で延期となったSUPER GT第5戦が鈴鹿サーキットで、2024年シーズン最終戦として開催された。今シーズン、千代 勝正は23号車「MOTUL AUTECH Z」に移籍し、パートナーはロニー・クインタレッリに、タイヤメーカーもブリヂストンに変わる、新たな環境で戦ってきた。タイトルの可能性を既に失い挑む最終戦だが、1年間の進化をファンに示し来シーズンへと期待を繋げるために、また引退するクインタレッリへのはなむけともすべき特別な1戦であることから、高いモチベーションを持って挑んだ。
この週末は快晴となったものの12月だけに朝夕は冷え込み、日中との温度差が大きいことが各チームのタイヤ選択やセッティングを悩ませた。土曜日午前中の練習走行は、午前9時15分にスタート。23号車Zは千代がニュータイヤのバランスをまずチェックし、クインタレッリがショートラン、ロングラン、専有走行での予選シミュレーションを担当。予選、決勝に向けたセットアップは順調に進んだが午後になってコンディションがどう変化するのかは予測できず、若干の不安を残した。
気温が低いことはエンジンには好影響で、公式練習で既にトップはコースレコードを更新。予選もハイレベルな争いが予想された。今回はタイヤが温まりにくいGT500クラスが予選を先に行うことになり午後1時50分、通常より5分延長の15分間でQ1がスタート。多くが2周もしくは3周をかけて慎重にタイヤに熱を入れる中、クインタレッリがドライブする23号車Zは、計測2周目をターゲットに開始から7分を過ぎた頃にコースインした。そして予定通りに2周目にアタックに入りコースレコードを更新するペースでセクター1、セクター2を通過するが、シケインでウォームアップ中のマシンに詰まってしまい断念。翌周仕切り直したものの、1分45秒251に終わり、Q1の順位は15位となった。
その後、GT300クラスのQ1をはさみ午後2時48分にGT500クラスのQ2がスタート。千代がドライブする23号車ZはQ1と同じく計測2周目をターゲットに、前半はピットで待機し、残り6分となったあたりでコースインした。Q2もコースレコードが連発する見応えのあるタイムアタック合戦となった。その口火を切ったのが23号車Zで、15台中最後にコースインした千代はアウトラップと1周目でしっかりとタイヤのパフォーマンスをピークに上げアタックに挑み、このセッションで初の43秒台となる1分43秒734をマーク。その後5台がこのタイムを上回り最終的に23号車Zは6位でQ2を終えたが、合算での予選結果は11位となった。
■千代 勝正コメント
「午前と午後でコンディションが変化し、ぶっつけ本番に近い状況での予選になりました。それは予想していたことで、出来るだけの準備をして挑んだつもりですが、Q1でクインタレッリ選手が不運なトラフィックに遭ってしまい、Q2での自分のアタックも風が巻いていた影響でバランスを崩したコーナーもあって、満足のいく出来ではありませんでした。もう少しセットを煮詰めたかった、というのが正直なところです。明日、ロニーさんと一緒に戦う最後のレースを表彰台で飾れるように11番手から追い上げていくための準備をしっかりと整えたいと思います」
2024 AUTOBACS SUPER GT Round 5
「SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL」決勝レポート
SUPER GT2024年ファイナル、23号車Zは決勝8位で3ポイント獲得
12月8日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ
■決勝結果:8位 1h44'46.349 51周(クインタレッリ→千代)
予選日に続き鈴鹿サーキットは晴天となり、気温13℃、路面温度21℃のコンディションで12時50分、SUPER GT2024年シーズンファイナルのレースがスタート。路面温度が低かったことでフォーメーションラップは2周に延長となり、レースは51周で争われた。
シーズンラストを良い結果で終えようとオープニングラップから各ポジションで接戦が繰り広げられる中、23号車「MOTUL AUTECH Z」も躍動した。前半スティントをドライブするのは、今回がラストレースのロニー・クインタレッリ。レース前のウォームアップ走行でトップタイムを記録した勢いそのままに果敢にオーバーテイクを仕掛けていき、1周目に早くも8位へとジャンプアップを果たすと、5周目に均衡を破り7位に浮上した。
次のターゲットである6位に向けても23号車のペースは順調で、2秒以上あったギャップは9周目には1秒を切った。そして10周目に入ったFCYが解除されると、クインタレッリは再びプッシュを開始。14周目のシケインのブレーキングでアウトから並んでオーバーテイクに成功。6位に浮上する。残りは30周以上。目標としていた表彰台は、早くも現実的になってきた。
レースは中盤に入り規定ピットインのミニマム周回となる18周目を迎え、各マシンが動き出す。23号車Zは19周目にピットイン。千代が今シーズンのラストスティントをスタートさせた。しかし複数のマシンが同時にピットインしたためピットアウトの際に前3台と連なるかたちとなってしまい、思うようにタイヤをウォームアップさせることができず、ここは好スタートとはいかなかった。
それでも15台すべてがピットインを終えた21周目、23号車Zは6位をキープしており、ここからの追い上げが期待された。だが前半スティントのペースが良かったことから同じタイヤを選択した戦略は奏功せず、路面温度が下がりパフォーマンスは前半同様とはいかなかった。その結果29周目、32周目に順位を下げることになったが、なんとか8位に踏みとどまり51周をフィニッシュ。3ポイントを獲得し、23号車Zはランキング8位で2024年シーズンを終えた。
■千代 勝正コメント
「ロニーさんが前半、気迫あふれる素晴らしい走りでポジションを上げてきてくれたのが、すごく嬉しかったです。それを見て後半も同じタイヤで行くことにしたのですが、気温が下がってペースを上げることができませんでした。前半の勢いをキープできれば表彰台の可能性はあったと思いますが、残念です。ピットインも前か後にずらして単独走行ができていれば、もう少し良い展開に持ち込めたかもしれません。今シーズンはタイヤがブリヂストンになって1戦、1戦、経験を積みながら前進していきましたが、それでも経験値が足りなかった。結果的には学びの1年で終わってしまい、タイトル争いすることができず悔しさの残るシーズンとなってしまいました。来シーズンは必ずこの1年の経験を活かしてみせます。1年間ロニーさんと組んで戦えたことは僕のレーシングドライバー人生の大きな財産になったと思います。ロニーさんに託された思いを受け継ぎ、来年はタイトル争いをしてみせます!1年間応援していただき、ありがとうございました」