SGT Rd.2富士 決勝日レポート
2016 AUTOBACS SUPER GT Round2
「FUJI GT 500km RACE」決勝レポート
表彰台目前もSCカーのタイミングに泣き、苦渋の決断でポイント獲得
5月4日(水) 天候:晴れ 路面:ドライ
■フリー走行結果:13位 1’31.823
■決勝結果:7位 2h59’29.897(本山→千代→本山)
2016シーズン第2戦は、富士スピードウェイを舞台とする恒例の500kmレース。マシンおよびドライバー二人の安定した速さに加え、戦略、判断力、ピット作業などチームの総合力がより問われるレースとなる。フロントロー2番手という絶好のグリッドからこのレースに挑む46号車「S-Road CRAFTSPORTS GT-R」は午前中のフリー走行でマイナートラブルに見舞われたものの大事はなく、優勝争いに自信を見せていた。
危惧された雨は予報に反し明け方には上がり、午後2時からの決勝はドライコンディションの下で行われた。長丁場のレースとあり各マシンはクリーンなスタートを切り、オープニングラップで順位の変動はなかった。スタートドライバー本山哲を乗せた46号車も2位をキープしたまま序盤は我慢の展開。しかし徐々に3位のマシンからオーバーテイクを仕掛けられるようになり、27周目にはついに2位を明け渡すことに。タイヤの種類を変更する予定の第2スティントに望みを託し46号車は31周目、1回目のピットインに入った。
第2スティントは千代が担当、46号車は3位でコースに復帰すると、開幕戦で見せたアグレッシブなドライブで2位に迫る。そして、その後しばらくはチャンスをうかがっていたが満を持して43周目、1コーナーでバトルに持ちこむと、その先でついに攻略に成功。スタート順位の2位に戻し、さらにトップを追いかけた。攻めに転じた46号車の勢いは止まらず、徐々にトップとの差はつまり一時は10秒以上あった差は65周目には8.5秒、68周目には7.4秒に。終盤にはトップ争いを繰り広げるであろう展開をここで、誰もが予想した。
ところが状況はこの後一変、1台のマシンがタイヤをバーストさせセーフティカーが入ったことが46号車に不運を招いた。72周目に2回目のピットインに入る予定の46号車が、その周回の最終コーナーにさしかかったタイミングだったのだ。SC中はピットに入ることができないため、46号車の燃料は足りない状況となった。そして、チームが下した決断は、ペナルティ受けることを覚悟でピットインを敢行することだった。
この後第3スティントを担当した本山は90秒のペナルティピットストップを消化し、10位でコースに復帰。完全に優勝戦線からは離脱することになった。しかし本山はあきらめずにプッシュを続け、1周以上に相当する重いペナルティを受けながらも7位まで順位を上げチェッカーを受けた。あのときペナルティ覚悟のピットインを決断しなければ、その後のSC周回数を考えると確実にガス欠ストップを喫していた。それを回避し4ポイント獲得に繋げたのだから、結果的には好判断だったといえる。
■コメント
「レースでは、前にいた38号車をクリーンなバトルの中でオーバーテイクすることができ、さらにプッシュしてトップにも近づいて行くことが出来ましたが、まさにピットインする予定の周回に運悪くセーフティカーが……ペナルティを受ければ優勝の目はなくなるので、かなり苦渋の決断でした。でも本山さんがあきらめないでプッシュし続けてくれたことで7位まで順位を戻し、ポイントも獲得できたことは不幸中の幸いでした。レースウィーク通して流れが良く、今日もチーム全体がミスなく作戦通りに進めて、優勝に手が届きそうだったレースだったので本当に悔しいですけど、こればかりは運がなかったとしか言いようがないですね。次こそは絶対に優勝したいと思います」