REPORT

2019 SUZUKA 10 HOURS

2019 INTERCONTINENTAL GT CHALLENGE Round 4
「Suzuka 10Hours 2019」予選レポート

地元鈴鹿での予選、35号車は13番グリッドを獲得

8月24日(土) 天候:晴れ 路面:ドライ
■フリー走行結果:4位:2'02.808(松田)
■予選結果:5位 6'07.524
(Q1 2’02.653 (千代) Q2 2’02.210 (ジョシュ) Q3 2’02.661 (松田))
■ポールシュートアウト:13位 2'01.443(松田)

インターコンチネンタルGTチャレンジ2019シーズンは、セミファイナルラウンドとなる第4戦を迎えた。今回の舞台、鈴鹿は35号車KCMGチームの千代 勝正、松田 次生にとってはホームであり、昨年のこの大会へのスポット参戦がチーム発足のきっかけとなったことで特別な一戦。今年も日本のスポット参戦チームが加わり混戦を極めると予想される中、35号車は日本人2人にジョシュ・バードンを加えた3人のドライバーラインナップで挑んだ。中低速コーナーの多い鈴鹿はGT-Rが比較的得意なタイプのコースということもあり、シーズンで最も好成績が期待される一戦となった。


金曜の初日は終日雨に見舞われ、各チームにとっては土曜日がドライコンディションでの初走行。35号車は午前中のフリー走行で4位のタイムをマークし、期待は大きく膨らむことになった。15分間の3つのセッションでそれぞれ別のドライバーがタイムアタックを行い、その合算タイムで順位が争われる予選が午後2時より開始。ここでトップ20に入れば、さらにその後のポールシュートアウトに進出し、最終グリッドが決まることになる。



Q1は千代が出走。開始からすぐにコースに入りマシンをチェックすると一旦ピットに戻り、ニュータイヤに替えて、いよいよアタックへと向かう。ところが計測2周目のターゲットラップに入ったところで他車のクラッシュにより、赤旗となってしまい、アタックを中断。再開後の残り時間は3分となり、ワンアタックのみの時間しか残されなかった。ここで千代はアウトラップでポジションを整えるとピークパフォーマンスが過ぎたタイヤではあったが、なんとか2’02.653 をマークして、まずは10位とポールシュートアウト圏内につけた。



続くQ2ではジョシュが2’02.210をマークし9位でQ3に繋げ、最後は松田がラストアタックで2’02.661をマークし、35号車は5位で順当にポールシュートアウトに進出した。そして午後5時35分からの25分間のポールシュートアウトには松田が出走。ここでは上位数台が2分0秒台に入る予想以上のハイレベルな攻防となり、35号車はラストアタックでこの日のベストタイム2’01.443をマークし、13位。決勝レースを7列目からスタートする事となった。


■千代 勝正コメント
「朝のフリー走行で4番手につけましたが、自分はニュータイヤで走っていなかった為、予選に向けてはそれほど楽観視はしていませんでした。Q1では赤旗でタイヤの一番良い状況を逃していた上にチャンスが1周のみと、スパの時と同様にプレッシャーが掛かるアタックになりましたが、その中でなんとかラップをまとめて2秒台をマークすることができました。最終的に10位以内を目指していたのですが、最後のポールシュートアウトは松田選手が好アタックを決めながらも、他チームの上がり幅が大きかったですね。明日の決勝は、タイヤマネージメントがひとつのカギを握ることになると思います。昨日は雨でロングランができませんでしたが去年もレースペースは悪くなかったので、とにかくトップと同一周回をキープすることを念頭に置いてレースを進め、上位フィニッシュを目指します」


2019 INTERCONTINENTAL GT CHALLENGE Round4
「Suzuka 10Hours 2019」決勝レポート

鈴鹿10時間決勝、35号車は総合6位でフィニッシュ。アジアアワードを獲得

■8月25日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ
■決勝結果:6位 (275周)10:02’47.969(松田 → 千代 → バートンでローテーション)

鈴鹿10時間レース決勝日。天候は晴れ。早朝7時から行われたピットウォークに多くのファンが詰めかけ、決勝への期待の大きさが伺える。
決勝前に行われた15分間のウォームアップ走行では4位のタイムをマークした35号車は松田 次生をスタートドライバーに立て、長い10時間の戦いに挑んだ。

午前10時、路面温度が40℃近くに達するという過酷なコンディションの中でレースがスタートした。オープニングラップから早くも各マシンはポジションアップを狙いバトルを仕掛けていく。過去3戦と同じ様に耐久レースといえどもスプリントレース並のハイペースでのバトルが至るところで繰り返されていく。35号車も追ってきた018号車とのチームメイトバトルを演じることになるが、松田はこれをうまく抑えてオープニングラップを13位で通過。その後もKCMGチームはランデブー走行で周回を重ねていく。



暑さでタイヤの摩耗が早くなったせいか、各チームのピットインは予想より早いタイミングとなった。35号車は28周目に1回目のピットインを行うと、松田から千代にドライバーチェンジ。ここからベストラップ連発で一気に前に近づき、39周目には130Rでオーバーテイクを決めて12位に浮上すると、その後も勢いは止まらず41周目には11位、43周目には10位とポジションを上げていく。56周目に千代からジョシュに交代。ジョシュも好ペースを維持し、64周目には9位に浮上する。69周目、アクシデントによりフルコースイエローとなった事からセーフティカーが入り、このタイミングで上位数台がピットインに動いた中、35号車はコースにステイ。もう一方のKCMG、018号車はピットに入り、チーム内で戦略が別れた。


コースへのステイを選択した35号車は他車のピットインにより、一時的に順位を5位前後まで上げるも、フルコースイエロー時にピットインしたチームとはタイヤライフが異なる為、スティント終盤はグリップピークの過ぎたタイヤでタイヤライフに余力のあるチームを抑え込むというタフな戦いを強いられる事となってしまったが、千代、ジョシュ、松田は次に来るであろうチャンスを待ち、我慢の周回を続けていく。



163周目に2度目のフルコースイエローが出た。今度は35号車もピットインし、これで上位勢とピットタイミングが揃うことになった。この時点での順位は6位。トップは大きなリードを築いていたものの、2位以下は7位あたりまで接近しており、ここから複数台による表彰台を巡る長い接近戦が続くことになる。そしてレースは後半に入り、終盤のナイトランセッションとなる。35号車はチェッカーまでのステアリングを松田に託した。松田は7位でコースに復帰すると、残り19分で107号車をシケインでオーバーテイク。しかし、107号車はシケイン立ち上がりから、ホームストレートで35号車とサイドバイサイドに持ち込む。35号車は1コーナーでアウトから大外刈りを決め、このバトルを決着。6位に浮上する。このままチェッカーまで安泰かと思いきや、レース終盤まで2位につけていながら、最後のピットストップ時の給油トラブルにより後退してしまった125号車が驚異的なハイペースで35号車に追いつく。




10時間を経過し、両者のバトルはテールトゥノーズのままファイナルラップにもつれ込む。セクター1、セクター2を防ぎきった35号車だったが、スプーンカーブを立ち上がり重視のワイドラインで加速した125号車がバックストレートで35号車のスリップに入る。勝負は130R先のシケインでの攻防となる事が予想されたが、125号車が130Rでオーバーラン、これで勝負あり。35号車はKCMGブルーの光に染まるホームストレートを駆け抜け、総合6位でチェッカーを受けた。

今回のSUZUKA 10 HOURSではドライバー二人以上がアジア人で構成されるチームの1位から3位までをアジアアワードとして表彰され、35号車KCMGチームはアジアアワード1位に輝いた。


■千代 勝正コメント
「途中で周回遅れに引掛かかるなど何度かタイムロスしてしまった場面があって表彰台のチャンスを逃したことはとても悔しいですが、今年始めてノートラブルでトップと同一周回で最後までレースを戦う事が出来ました。チームは一年前のこの大会の時から比べると大きく成長し、今回はチーム全員が本当に素晴らしい仕事をしてくれました。ノートラブルで終えられたのは、その努力が実を結んだ結果だと思います。世界の壁は高く、険しいですが、久々に日本のファンの皆さんの前で『走り』でレースを盛り上げる事が出来て良かったです。グランドスタンドがKCMGブルーに染まった時は本当に感動しました。皆さん、暑い中での長時間の応援、本当に有難うございました。チームは確実に強くなっているので、最終戦のキャラミでは表彰台を狙う戦いをしたいと思います。」


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千代 勝正

レーシングドライバー千代勝正です。 2024年シーズンは#23 NISMO からSUPER GT GT500クラスに参戦します。 応援宜しくお願い致します!

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