2017 BLANCPAIN GT SERIES ENDURANCE CUP FINAL
2017 第5戦/ブランパン エンデュランスシリーズ 2017/9/29-10/1
バルセロナ(スペイン)レースレポート
トラック:Circuit de Barcelona - Catalunya(バルセロナ空港から約43km1時間弱の距離に位置)
コース長:4.655km コーナー数:16 標高:120m 高低差:30m
マシン:23号車 Motul Team RJN Nissan (NISSAN GT-R Nismo GT3)
2017ブランパンGT 耐久シリーズ最終戦 後方46位から見事な追い上げを見せ13位チェッカー!
スペイン・カタロニア自治区独立運動の影響が懸念される中、2017ブランパンGTシリーズエンデュランスカップ最終戦がスペイン東部カタルーニャ州バルセロナ近郊北東部に位置するカタロニアサーキットで開催された。このサーキットは高速から低速までバランスの取れたテクニカルなコースレイアウトと、温暖で安定した気候からテストコースとしても多用されている。タイヤに負荷がかかる高速右コーナーと低速からの右コーナーの立ち上がりが多い為、左リアタイヤのマネージメントが重要となっている。
1kmの長さを誇るホームストレートもカタロニアサーキットの特徴だが、今回は最終コーナー前のシケインを使用したコースレイアウトとなっている為、スリップストリームを使ったホームストレートでのオーバーテイクは容易ではない。レースフォーマットは3時間。3名のドライバーが各々、約1時間前後を走行し、3時間後のチェッカーを目指す。ルーティン通りにいけばピットインは2回。
エントリー台数は50台。千代勝正はこの最終戦にチームメイトのルーカス・オルドネス、アレックス・バンコムと共に挑んだ。
9月30日(土) 練習走行 9:00-10:30 天候:晴れ 路面:ドライ 気温:20.2℃ トラック:18.2℃
■公式練習結果:23位 1’48.833(ルーカス・オルドネス)
エントリー50台中、48台が出走。ドライコンディションの中、23号車は数回のピットインを繰り返しセットアップを進めていった。
2本のストレートと2か所の高速コーナーではまずまずのスピードがあるが、最終セクションのテクニカルコーナーの攻略がキーポイントの様だ。
9月30日(土) 予備予選 17:05-18:35 天候:雨 路面:ウエット 気温:20.8℃ トラック:21.5℃
■公式予備予選:13位 2’00.280(千代勝正)
午後から次第に雲が多くなり空を覆う。サポートレースの影響で25分のディレイで予備予選が開始され、各車コースインと同時に小雨模様となった。
開始7分、難しい路面コンディションの中、千代が全体で13番手のタイムを記録した。
セッション後半には次第に雨足が強くなり、ウォータースクリーンで前車が見えない程のヘビーウェットとなった為、各車ともタイムアップ出来ずセッション終了となった。
10月1日(日) 予選 9:00-10:00 予選開始時 天候:曇り 路面:ウエット 気温:19.1℃ トラック:18.0℃ 予選終了時 天候:曇り 路面:ドライ 気温:20.2℃ トラック:18.4℃
■公式予選:46位 1’49.731(ルーカス・オルドネス)
朝から多くのモータースポーツファンが詰めかけ、各ホスピタリティやイベント広場などで賑わう。
早朝の雨も止み路面もかなり乾いて来たが、所々ウェットパッチが残る状態で予選が開始され、Q2からはほぼドライコンディションとなった。
Q1:アレックス担当 2’02.288
セッション開始と同時にウェットタイヤでコースイン。開始3分、最終コーナー先のストレートで他車がマシン前部を大きく破損するクラッシュが発生。
直ぐに赤旗中断となる。約10分の中断後に再開。5LAP目に2’02.288を記録するが32位となる。
Q2:千代担当 1’51.586
千代はドライタイヤでコースインすると序盤路面にまだ水が残る中でトップタイムをマークするなど順調な滑り出しを見せるが、ラスト数分で路面が急激に乾き、ライバル勢がタイムを大幅に上げる中、千代は最終ラップで痛恨のトラフィックに当たり、クリアラップとはいかなかったものの、8LAP目に1’51.586を刻み19位となる。
Q3:ルーカス担当 1'49.731
ルーカスも同様にドライタイヤでコースイン。刻々と路面状況が良くなる中2セットのNEWタイヤを使いアタックのチャンスを狙っていくが、アタックラップに最終のシケインで、前との距離を開けるためにスローダウンする車両に引っかかってしまい、クリアラップを取ることができず、トップから3.7秒遅れの1'49.731がベストラップとなった。
この結果、予選は46位(23列目グリッド)となり、決勝は第3戦ポールリカールと同様にグリッド後方の厳しいポジションからのスタートとなった。
10月1日(日) スタート進行・決勝レース前グリッドウォーク
■14:00 午後から強い雨が降ったが、次第に止み決勝スタート進行が開始された。
23号車は14:10にピットを離れコースイン。続いてグリッドウォークが行われ、ヨーロッパをはじめ日本から応援に来たファンの姿も見受けられた。
10月1日(日) 決勝 15:00-18:00
■決勝:13位 1’50.532
【スタート時】 15:00 46位 LAP00 天候:曇り 路面:ドライ 気温:19.1℃ トラック18.0℃
スターティングドライバーはアレックスが担当。SC先導でフォーメーションラップが開始され、曇天の下まだ乾いていない路面コンディションの中、
48台のGT3マシンが一斉に1コーナーを目指しスタート。大きな混乱も無く3時間先のチェッカーを目指す。23号車アレックスはオープニングラップで
13台を抜き33位でメインストレートを通過。その後もオーバーテイクを繰り返していく。
開始30分、他車のアクシデントによりFCY(フルコースイエロー)から2周のSC導入となり9LAP目にリスタート。
その後、1'52-1'54秒台で走行し、29LAP目に他車のピットインなどにより12位でセカンドスティント担当の千代にドライバーチェンジ。
給油とタイヤ交換のフルサービスを行い、ピットアウト。千代は30位でコースへ復帰すると1'52秒台のペースで更に追い上げる。
1時間のスティントの間に次々と前車をパスしていき、サードスティント担当のルーカスにバトンタッチする時には16位まで順位を上げていた。
59LAP目にルーカスにドライバーチェンジ。22位でコースへ復帰したルーカスも地元の意地を見せ64LAP目にはチームベストの1'50.532を記録。
16位まで順位を上げたところで膠着状態になるが、レース終盤、他車のペナルティーなどにより更に順位を上げて92LAPを走り切り、
46位スタートから33台抜きの13位でチェッカーを受けた。
ピット内では千代、アレックス、メカニック、チームスタッフ、そしてNISMO田中総監督がこの最終戦と今シーズンの労をねぎらった。
23号車のGT-Rは千代とアレックスドライブ中に最高速タイとなる270kmを記録した。
(決勝:49台出走、41台完走)
【千代勝正コメント】
この最終戦もかなりタフなレースでしたが、マシンの調子も良く、タイヤマネージメントもしっかり出来ていたので、ポジションを上げていくことが出来ました。上位には届きませんでしたが、46位からスタートして最終的には33台抜きの13位と言う結果はチームの皆が頑張り、僕達が出来る事は全てやってベストを尽くした結果だと思います。
今シーズンは思う様に結果が出せなくて、すっきりしないレースが続いたにも関わらず沢山の応援、本当に有難うございました。ブランパン3度目の挑戦は2年前(2015年シーズン)の様には上手くいきませんでしたが、毎年レベルが上がるこのシリーズにまたこうしてチャレンジ出来、激戦の中で学べることは多かったと思います。