California 8 hours
2019 INTERCONTINENTAL GT CHALLENGE Round2
「CALIFORNIA 8 HOURS」予選レポート
IGTC第2戦、35号車が予選2位を獲得!
3月29日(金) 天候:晴れ 路面:ドライ
■フリー走行結果:9位:1'24.720(バートン)
■公式予選結果:2位 1'23.342(バンコム)
2月に開幕したインターコンチネンタルGTチャレンジが、アメリカのラグナセカで2戦目を迎えた。35号車KCMGチームのドライバーラインナップは千代勝正とジョシュ・バートン、そして今回はスーパーGTのテストとスケジュールが重なった松田次生に代わりアレックス・バンコムが参戦。バンコムは2015年、千代とともにブランパン耐久シリーズでチャンピオンを獲得した実力者で、強力布陣は変わらずとなる。そのチームのポテンシャルは、予選で早くも発揮された。
フリープラクティスではバートンがクラッシュした影響から5周のみしか走行できず、セットアップを煮詰めるどころかダメージを残すという状況で予選に挑んだ35号車だったが、その逆境をものともせずQ1から順調だった。今回の予選方式は3人のドライバーがQ1、Q2、Q3でそれぞれアタックし、ベストタイムの平均でトップ10シュートアウト進出および11位以下のグリッド順が決まるというもの。3度の予選中に給油ができないルールにつき、燃料が最も重い状態のQ1では3人中最も体重の軽い千代がアタックに挑むことになった。15分のセッションの終盤、千代はその期待に見事応えラストアタックで1'24.167をマークし、まずは6位につけた。
Q1を走った千代のフィードバックを頼りにマシンをアジャストしたことで、35号車はさらにそこから調子を上げた。Q2にはバンコムが出走し1'23.693で5番手に順位を上げると、Q3のバートンは1'23.926とタイムを伸ばすことができず9位に後退するも、なんとかトップ10シュートアウトに進出を果たす。そして、このトップ10シュートアウトで35号車は再び躍進する。アタックに挑むのはQ2で好タイムをマークしたバンコム。バンコムは4周目に1'23.342とこの日のベストタイムをマークすると、これがトップとわずか0.186秒差の2位に。35号車は明日の決勝でフロントローという、開幕2戦目にして初優勝の期待を大きく膨らませる絶好のポジションからスタートすることになった。
■千代勝正コメント
「朝のコンディションが悪い中Q1で良いアタックができ、まずは6番手から予選スタート。そして、その際のクルマの状況をチームに伝えアジャストしたことが奏功し、3人ともにトップ10内で通過することができ、シュートアウトでのアレックスの素晴らしいアタックに繋げることができました。今日の予選2番手は、3人のドライバーとチームが良い仕事をした結果だと思います。明日のレースはスピードには自信があるもののコース特性としてタイヤに非常に厳しく、セッティングもそこを重要視させなければならず簡単に勝てるレースにはならないと思いますが、しっかりとトラブルなく走り切り、上位でフィニッシュしてみせます」
2019 INTERCONTINENTAL GT CHALLENGE Round2
「CALIFORNIA 8 HOURS」決勝レポート
カリフォルニア8時間決勝、35号車は中盤のトラブルで12位
■3月30日(土) 天候:晴れ 路面:ドライ
■決勝結果:12位 (315周)8:02'23.226(バンコム、バートン、千代)
インターコンチネンタルGTチャレンジ第2戦「カリフォルニア8時間」決勝は午前8時半、気温11.6℃、路面温度13.9℃というコンディションでスタート。フロントロー2番手の35号車KCMGチームはアレックス・バンコムをスタートドライバーにジョシュ・バートン、千代勝正の順のルーティンで挑んだ。
長いレースの序盤の主役は35号車だった。フロントローのアウト側から好スタートを決めトップに浮上した35号車はそのままアンドレッティヘアピンをクリアすると、その後も2位以下に対しマージンをキープしながら順調に走行。58分間の第1スティントを終え予定通り、最初のルーティンピットインを行う。ところが、ここでピット作業に手間取ってしまい最低ピットストップタイムの100秒に対し、+18秒と大幅にオーバー。4位に後退を余儀なくされた。
だが、まだレースは1/8程しか経過しておらず、このレースのカギを握るタイヤマネージメントを徹底し安定したペースを維持することができれば、再浮上は十分可能だった。第2スティントを担当するバートンのペースはスティント後半になるにつれ鈍り始め、さらに7位まで順位を落とし第3スティントの千代へとバトンタッチすることになったが、その千代が挽回の兆しを見せる。実質8位でコースに復帰することになった35号車はその後、徐々に7位との差を詰めていった。そしてコース上のバトルでは決着がつかず、チームはアンダーカットを画策。これが見事に的中し、3度目のピットイン後7位へ復帰を果たす。この時点でレースはまだ約半分残っており、さらなる浮上が期待された。
ところが、この第4スティントでバンコムがマシンの異常を察知。バイブレーションを訴えたことでイレギュラーピットインし緊急措置を施したものの、その後もペースは伸びずポジションは逆にダウン。この時、35号車はフロアパネルにダメージを負っており、エアロバランスが崩れてパフォーマンスが低下していた。このダメージを完全に修復できないまま走り続けることになった35号車は完走こそ果たせたものの、最終的にトップからは12周遅れの12位で8時間のレースをフィニッシュすることになった。
■千代勝正コメント
「KCMGチーム、そしてアレックスとジョシュが多大なる努力をしてくれたことにまずは感謝したいと思います。チーム、クルマ、そしてドライバー全員が週末を通して好調を維持し、フロントローを獲得してレースでもスタートでトップに立つことができましたが、残念ながらメカニカルトラブルにより優勝のチャンスを失ってしまいました。チーム全員にとって非常に残念な結果となりましたが、決してあきらめず次戦のスパ24時間では再び上位で戦えるよう努力していきます」