REPORT

2022 SUPER GT Round 2 FUJI GT 450KM RACE

2022 AUTOBACS SUPER GT Round 2
「FAV HOTEL FUJI GT 450km RACE」予選レポート

2022 SUPER GT 第2戦、3号車Zは予選3位

5月3日(火) 天候:晴れ 路面:ドライ
■公式練習結果:7位 1'27.513(千代)
■公式予選結果:3位 1'26.452(高星)

2022 SUPER GT 第2戦が5月3日、4日、富士スピードウェイで開催。3年ぶりに行動制限のないゴールデンウィークとあって、スタンドは多くのファンで賑わった。その多くが注目するのはニッサンが今季GT500クラスに投入した新型Z。開幕戦の岡山で見せたストレートでの速さは、富士でこそ大きな武器になる。千代 勝正、高星 明誠の新コンビによって14位スタートから5位にまで躍進した3号車「CRAFTSPORTS MOTUL Z」に、今季初表彰台の期待がかかった。


予選日は好天となるも例年より気温は低く、午前中の公式練習は13℃というコンディションでスタートした。その中で持ち込みセットアップに好感触を得た3号車Zは順調にメニューを消化。ロングラン及び専有走行での予選シミュレーションを担当した千代は予選、決勝に向け、開幕戦以上の手ごたえを感じていた。

午後に向かい徐々に例年の暖かさに近づいたが、GT500クラスの予選Q1が開始される午後3時過ぎには気温14℃、路面温度は18℃となっていた。GT500クラスの15台は序盤からコースインし、終盤のアタックに向け入念にタイヤを温める。3号車のQ1を担当する千代も計測4周目をターゲットにウォーミングアップを開始した。残り4分を切り本格的なアタックが始まると、上位は1分26秒台で争われた。千代も4周目に1分26秒832をマークし3位に浮上するが、さらに上回ってくるマシンがその後に続出し、Q2進出ギリギリまで後退。更なるタイムアップが必要になる。そして見事に千代は1分26秒701をマークしてベストタイム更新に成功し、3号車ZをQ2へと導いた。


今回のレース距離は450kmと長く、3号車は決勝レース重視のタイヤ選択で可能な限り前方のグリッドを獲得するという戦略で挑んでいた。従ってQ2進出を果たし8位以内が確定した時点で戦略としては成功していたが、Q2で3号車は予想を上回る躍進を見せる。インターバルで千代から路面状況、タイヤの温まり方などのフィードバックを得た高星は、ラストアタックで1分26秒452をマークし3位。富士に強いZ、ロングランに強いミシュランタイヤに加え、好位置からのレーススタートと明日のレースに向けアドバンテージをさらに積み重ねた。

■千代 勝正コメント
「チームと十分にミーティングを重ねて持ち込んだセットアップが走り出しから調子が良く、そこから予選に向けアジャストしました。決勝重視のタイヤではありましたが、午後は路面コンディションも良くなり、その中でタイヤのパフォーマンスをうまく引き出すことができたと思います。気温は想定より低くなったものの、少し長めのウォームアップで十分カバーできる範囲でした。決勝でしっかり戦えるタイヤで3番手は、非常に良い結果です。明日は気温がもっと上がりそうですが、良いパフォーマンスが期待できると思います。レース距離は450km、ピットストップも2回ということで戦略もカギになると思いますが、しっかりシミュレーションして、ミシュランタイヤの強さを活かして表彰台の真ん中を目指します」


2022 AUTOBACS SUPER GT Round 2
「FAV HOTEL FUJI GT 450km RACE」決勝レポート

2022 SUPER GT 2第2戦、3号車Zは不運なリタイア

5月4日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ
■決勝結果:15位 2:05'58.356 52周(千代→高星)

決勝日は予想通り従来のこの時期の暖かさが戻り、決勝がスタートする午後14時30分には気温20℃、路面温度は33℃まで上昇した。そんな中、決勝前のウォームアップ走行で3号車「CRAFTSPORTS MOTUL Z」はトップタイムをマークした。

スタートドライバーの千代 勝正を乗せた3号車は序盤から強さを発揮した。スタート後、1コーナーで2位に浮上すると、その先のコーナーでは早くもトップと並走。トップ浮上こそならなかったものの、ポジションをひとつ上げて2位でオープニングラップを通過する。その後は序盤に照準を充てハイペースで追ってきたトムス2台を交え4台がバトルとなり、3号車は一旦3位に後退。前の2台と約1秒差をキープし、次なるチャンスを待つ展開となった。

今回のレース距離は450kmで2回のピットイン義務があるものの、ドライバー交代は1回のみでも良いというルールから戦略に幅はがある。3号車Zの戦略はまず千代が最低周回数をクリアした後に1回目のピットインを行い、給油とタイヤ交換を済ませて、2回目のピット作業は状況に応じて臨機応変に対応するというもの。35周目に予定通りピットインし、ドライバーを高星明誠に代えた3号車Zは3位をキープしてセカンドスティントをスタートさせると、2位へと接近していった。


44周目にGT300クラスのマシンがクラッシュし、レースはFCYからセーフティカーランとなった。さらにバリアの修復作業が必要になり、レースは赤旗中断となった。3号車ZはFCY直前にピットインした1台に3位を譲ることになり、約25分後のリスタート時は4位となっていた。リスタート直後、前方の2台が1コーナーでコースオフ。これで労せず2位へ浮上すると、数周後にはトップを射程圏に捉えた。

59周目にトップ浮上の大チャンスが訪れた。ホームストレートで定石通りトップのスリップストリームに入るが、前方にトラブルでスローダウン走行をしていたGT300のマシンが現れる。トップのスリップストリームから出た3号車Zの目の前にこのGT300車両が迫る形になり、3号車Zは追突を避ける為に回避行動を行ったが、姿勢を乱してホームストレートのフェンスにクラッシュ。300km/h近いスピードでのクラッシュだったためマシンは大破し、3号車Zはリタイアとなった※

レースは再び赤旗中断となり、最大延長時間の10分前にリスタートとなるも予定周回の75%を満たせずに終了。各入賞者にはハーフポイントが与えられることになった。

※レース後、病院での精密検査にて幸いにも高星選手の身体に異常が無い事がニスモより発表されました。この事故に飛散した破片等によりお怪我をされた方がいらっしゃると聞いております。幸いにも大きな怪我では無いとの報告を受けましたが、1日も早いご回復を心からお祈り申し上げます。


■千代 勝正コメント
「先ずはアクシデントに遭われた全員が無事で観客、関係者の皆様に大きな怪我が無かった事が本当に良かったです。迅速に対応してくださったオフィシャルとメディカルの皆様、本当に有難うございました。無事に帰ってきてくれた高星選手とチーム全員で次戦に向けてまた準備を進めていきます」


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千代 勝正

レーシングドライバー千代勝正です。 2024年シーズンは#23 NISMO からSUPER GT GT500クラスに参戦します。 応援宜しくお願い致します!

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