2023 SUPER GT Rd.3 SUZUKA GT450km RACE
2023 AUTOBACS SUPER GT Round 3
「SUZUKA GT 450km RACE」予選レポート
SUPER GT 2023 第3戦、3号車Zは予選12位
6月3日(土) 天候:晴れ 路面:ドライ
■公式練習結果:11位 1'46.263(千代)
■公式予選結果:12位 1'46.069(千代)
昨年惜しくも逃したタイトル獲得に向け開幕戦から2位、5位と堅調な戦いぶりを見せてきた3号車「Niterra MOTUL Z」が迎えるのは千代 勝正、高星 明誠、そして新型Zが昨年初勝利を果たした鈴鹿サーキットでの第3戦。だが、昨年と異なる点がふたつ。レース距離が450kmになったことと、42kgのサクセスウェイトを積むことだ。その状況で得意とする鈴鹿にどんな戦略で挑み、どんな結果へと繋げるのか、3号車Zは今回も注目の1台となった。
前日のすさまじい豪雨は夜半にはおさまり、風がやや強いながらも鈴鹿は朝から快晴となった。午前中に行われた公式練習では、専有走行時間帯にマークしたベストタイムが11位と下位に終わった3号車Zだが、上位とのタイム差はそれほど大きくなく、予選でQ2に進出可能なトップ8にはコンマ2秒差ほど。新しいタイヤが投入され事前にテストが行えなかったことで、このセッション時間内にうまく合わせ込めるかどうかが最大の課題だった中、セットアップ状況はまずまずだと見られた。
定刻より20分遅れの午後3時58分から10分間で争われたGT500クラス予選Q1では、開始からすぐにコースに入り2-3周のタイヤウォームアップを経て1周のアタックというのがスタンダードなルーティンとなった。そんな中、千代がアタッカーをつとめた3号車Zは残り5分となってからコースインし1周のみウォームアップを行い、アタック周回へと入っていった。
その結果、セクター1は上位に食い込めるペースで戦略は奏功したかに見えたが、セクター2ではややタイムロスし劣勢へと転じてしまう。セクター3は持ち直したものの、合計タイムは1分46秒069に留まり、14位でQ2進出はならなかった。予選後、上位2台がペナルティで順位降格となったため、3号車Zは12番グリッドから明日のレースに挑むことになった。
■千代 勝正コメント
「今日の予選は、ダンロップコーナーの立ち上がりでオーバーランしてしまい、何とか立て直しましたが、それがなければクルマの調子は良かったので、非常に悔しいです。明日は前回と同様、長いレースになりますがタイヤも含めてクルマは想定しているコンディションに合っていると思います。ウェイトは効いていましたが、去年優勝したときのバランスに非常に近い状態でアタックできていましたし、追い上げられるポテンシャルを感じています。チームもそのために戦略を練ってくれているので、あとはドライバーがどこまで戦えるか。できるだけ多くのポイントを獲得できるよう頑張ります」
2023 AUTOBACS SUPER GT Round 3
「SUZUKA GT 450km RACE」決勝レポート
SUPER GT 2023 第3戦、3号車Zの最終結果は4位
6月4日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ
■決勝結果:4位 2h00'19,492 58周(千代→高星)
鈴鹿サーキットは前日同様の快晴に加え風も弱まり、絶好のコンディションとなった。77周、450kmの距離で争われる第3戦決勝は午後1時30分にスタート。12番グリッドの3号車「Niterra MOTUL Z」は、千代 勝正がスタートドライバーをつとめた。
混乱が起きやすいポジションに加えて抜きにくいコースでブロックも厳しかったことから、千代はリスクを避け序盤は順位キープに徹することにした。そんな中、チャンスが訪れる。8周目にGT300クラスのマシンがストップしフルコースイエローからセーフティカー導入となったことだ。一度冷えてからのミシュランタイヤのウォームアップの早さは大きな武器であり、3号車Zはリスタートの13周目から反撃開始。その周に1台をオーバーテイクし11位とすると、14周目には10位、16周目に9位と順位を上げていった。
GT500クラスの1回目のルーティンピットインは18周目を皮切りに行われ、3号車は遅めの30周目にピットイン。ここからドライバーは高星 明誠に代わり、第2スティントを11位でスタートすると、36周目には10位と再びポイント圏内に返り咲く。そして、この第2スティントから第3スティントへのピットインが3号車Zにとって重要な戦略。2回目のルーティンピットインをライバルたちが50周目までに終える中、3号車Zはできるだけ引っ張り、給油時間を短くすることでジャンプアップを狙っていた。
59周目、130R先でGT500クラスとGT300クラスのマシンがからむクラッシュが発生し、レースは赤旗中断。そのまま終了となった。58周目終了時点でのトップは3号車。赤旗による不可抗力のため、2度目のピットイン義務を行えなかったが、3号車Zは暫定優勝となり、昨年に続き千代と高星はポディウムの真ん中に立ったのだが・・・
数日後に出た正式リザルトでは、ピットイン1回分に相当する60秒が加算され、3号車Zは4位ということになった。3号車Zは8ポイントを獲得しランキングは2位のままと、依然タイトルが狙える位置をキープしている。
■千代 勝正コメント
「まずは、クラッシュした松田選手が無事でなによりです。自分たちのレースについては、450kmのレースは複雑な戦略が必要で、タイヤの状況をはじめ様々なことを考えて、2回目のピットを後半まで伸ばす作戦を採っていました。最終的に4位という結果についてはペナルティのルールが明文化されていないという部分ですごく複雑な気持ちですが、ウェイトが重い状況でランキング2位を維持できたことは前向きに捉えたいと思います。ここからの中盤戦はタイトル獲得のためにより重要な戦いとなるので、次に向けてしっかり準備したいと思います。」