REPORT

2022 AUTOBACS SUPER GT Round 8 MOTEGI GT 300KM RACE

2022 AUTOBACS SUPER GT Round 8
「MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL」予選レポート

SUPER GT 2022 最終戦、3号車Zは予選4位

11月5日(土) 天候:晴れ 路面:ドライ
■公式練習結果:3位 1'36.391(高星)
■公式予選結果:4位 1'35.916(高星)

SUPER GT 2022シーズン最終戦が、3年ぶりにモビリティリゾートもてぎで開催された。最終戦といえば最大の焦点がタイトルの行方。その争いの中心にいるのがランキングトップの3号車「CRAFTSPORTS MOTUL Z」だ。だが2位は2.5ポイント差、3位は4ポイント差と戦況は拮抗。ノーハンデの戦いで2台の前でチェッカーを受けることはそう容易ではない。それでもチームはタイトルへの自信を漲らせ、まずは午前の公式練習に挑んだ。



ストップ&ゴーレイアウトのもてぎでは予選順位が重要。万全の状態で予選、そして明日の決勝に挑むためにセッション開始からチームはかなり細かくセッティングを煮詰める作業を行った。その結果、専有走行時間帯まではトップタイムを記録。予選シミュレーションは本番で使わない方のタイヤだったため最終的に4位に後退したものの、順調な滑り出しと言えた。


こうして迎えた午後2時53分からの予選Q1では3号車Zは千代 勝正がアタックを担当。ほとんどの車両が開始からすぐにコースに入り3周かけて入念にタイヤのウォームアップを行ったのに対し、3号車Zは最後にコースインし1周のみのタイヤウォームアップでアタック。ここで千代は1'36.129をマークした。最終的に7位となり、チャンピオン獲得の絶対条件の一つでもあったQ2進出を果たした。


そのQ2は、GT300クラスQ2で赤旗が出た影響から予定よりも13分遅れの午後3時44分にスタート。このディレイにより路面温度が想定より低くなったことは、3号車Zにとっては不運だった。高星もQ1同様最後にコースインし1周のみタイヤウォーミングアップを行うプランだったが、十分に温め切れないままのアタックとなり1'35.916と、Q1よりもタイムアップしたものの、ターゲットタイムを上回ることができなかった。残るアタックは6台。しかしそこから高星のタイムを上回ったのは2台のみで、3号車Zは4位で2列目のグリッドからレースをスタートすることが決定した。


■千代 勝正コメント
「タイトル獲得のためにチームスタッフ一人一人が精度の高い素晴らしい仕事をして準備を整えてくれ、それに応えるためにベストな走りをしようと心がけました。予選では今回選んだタイヤの特性的にも、またコンディション的にも早めにアタックに行った方がピークを出せると考えて計測2周目にアタックに行きました。Q2はGT300クラスのアクシデントでディレイしてしまったことで想定よりも路面温度が下がってしまいましたが、タイムも上がっているし順位も4位ということで、ベストは尽くせたと思います。明日は3番手の12号車との一騎打ちにはなるかと思いますが、引き続きチーム全員が良い仕事をしてベストを尽くし、タイトル獲得に繋げたいと思います」




2022 AUTOBACS SUPER GT Round 8
「MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL」決勝レポート

SUPER GT 2022 最終戦、3号車Zは4位。年間シリーズランキング2位でシーズンを終了

11月6日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ
■決勝結果:4位 2h05'01.724 63周(千代→高星)

土曜日に続き日曜日も快晴となったモビリティリゾートもてぎ。気温18℃、路面温度31℃というコンディションで午後1時、今季最終戦決勝がスタート。タイトルを賭けた63周のレースに4番グリッドから挑む3号車「CRAFTSPORTS MOTUL Z」は、千代 勝正がスタートドライバーを務めた。


スタートから1コーナーまではクリーンな展開となったが、そこから先は各ポジションでバトルが勃発。3番手12号車の前でチェッカーを受ければタイトルという、シンプルな目標に対し千代も積極的に仕掛けていく。これはタイヤの温まりが早いミシュランタイヤを装着する3号車が、これまで何度も成功させてきた展開だ。
チャンスは早速、訪れる。3コーナーで19号車のインをついた12号車が19号車と共にアウトにラインが膨らむ。これにより4コーナーで空いたインに3号車はノーズを入れていく。しかし、この動きを牽制した12号車が3号車にアウトから被せる。3号車は危うく接触という場面を回避したが、4コーナーアウト側の縁石を跨ぐ位置まで膨らみ、立ち上がりで失速。5コーナーまでのストレートスピードが伸びず、8号車が5コーナーのアウトから仕掛けてきた。並走してターンインを試みた2台だったが、両者は接触してしまう。



幸いマシンにダメージはなくペースを落とすこともなかった3号車は、次のチャンスに向け4位をキープし続けた。しかし9周目、オープニングラップでの接触に対し、ドライブスルーペナルティの裁定が下される。大きく後退を余儀なくされ、これでタイトルの可能性はなくなったかと思われたが、そこから3号車Zは再びタイトル獲得の可能性に繋がる追い上げをみせる。


レースは10周目、コース上で多重クラッシュが発生したためFCYをはさみセーフティカー導入となった。さらにSCラン中にもGT300クラスの2台がクラッシュし、リスタートは21周目まで伸びることに。その間に千代は燃料セーブにつとめ、ルーティンピットインのミニマム周回となる翌周にピットイン。ここでチームは迅速なピット作業で3号車Zを送り出し、代わった高星 明誠もアウトラップから懸命にプッシュ。その結果、全マシンがピットインを終えた37周目、3号車はスタート順位の4位に奇跡の復帰を遂げたのだった。



高星のレース後半のペースは、さらなる順位アップが見込めるものだった。だが12号車はこの時点で2位に浮上しており、最後まで直接対決に持ちこむことはできず、3号車Zは3位とのギャップを縮めながらも最終戦を4位でフィニッシュ。念願のタイトルには惜しくも届かず、ランキング2位で2022年シーズンを終えた。


■千代 勝正コメント
「“ドライブスルーペナルティさえなければ”という展開のレースでしたが、とにかく12号車の前に出なければタイトルは無いですし、あの場面で引くことはできなかった。その結果、タイトルを明け渡すことになりチームには申し訳ないと思います。とても悔しいですが、全力で戦った結果なので受け入れて、来年もっと強くなって帰ってくるしかないと思っています。ピットワークも高星選手の走りも素晴らしく、チーム全員が最後まで諦めずに戦ってくれたのは有り難かったです。今シーズン、開幕前は正直ここまで戦えるとは思っていませんでしたが、第2戦でいけるかもと思いはじめ、鈴鹿の優勝でチームの雰囲気は変わりました。その後、ウェイトで苦しんだレースもありましたが、チームにはずっと同じ目標に向かう一体感がありました。一人一人が本当に細かい仕事まで一生懸命頑張ってくれて、最後には“1年間一緒に戦って楽しかった”と言ってくれました。このチームで戦えた事を誇りに思います。だからこそ、タイトルを獲りたかったですが、この悔しさをバネに来年また頑張ります。1年間ご支援いただいたスポンサーの皆様、そして現地やTV、SNS等で応援し続けていただいたファンの皆様、本当にありがとうございました。」


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千代 勝正

レーシングドライバー千代勝正です。 2024年シーズンは#23 NISMO からSUPER GT GT500クラスに参戦します。 応援宜しくお願い致します!

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