2023 AUTOBACS SUPER GT Round 5 SUZUKA GT 450KM RACE
2023 AUTOBACS SUPER GT Round 5
「SUZUKA GT 450km RACE」予選レポート
SUPER GT 第5戦、3号車Zは予選10位
8月26日(土) 天候:晴れ 路面:ドライ
■公式練習結果:8位 1'48.818(千代)
■公式予選結果:10位 1'47.780(千代)
SUPER GT 2023年シリーズは後半戦に入り、鈴鹿サーキットで第5戦を迎えた。第4戦で今季初優勝を果たし、ランキングトップに立つ Niterra MOTUL Zは最も重いサクセスウェイトと燃料リストリクターによるパワーダウンという大きなハンデを背負い、厳しい戦いが予想されるが、チャンピオンを獲得する為には1ポイントでも多くのポイントを積み重ねていくことが、重要である。
土曜日午前中の公式練習から、気温は33℃に達した。公式練習ではQ1に出走予定の千代 勝正がタイヤ評価と予選シミュレーションを、高星 明誠はロングランに集中してメニューをこなしていく。公式練習後半のGT500専有走行時に予選アタックを想定して千代がマークしたタイムはクラス8位。予選Q1突破に向けて順調な滑り出しとなった。
GT500クラスの公式予選Q1は予定より10分遅れの午後3時53分より開始された。夕方に近い時間帯となったが、それでも気温は32℃、路面温度は51℃と厳しいコンディション。しかしながら、各車の動き出しはいつもよりも早めで、開始3分を経過すると殆どがコースに入り、タイヤのウォーミングアップに入る。3号車Niterra MOTUL Zは残り5分のタイミングでコースインした。
この日のコンディションに対しタイヤの温まりが早いというミシュランの特性から、ウォーミングアップはアウトラップのみというのが3号車Zの戦略だった。そしてQ1を担当する千代は予定通りアウトラップでタイヤを温めると、アタック周回へ。1分47秒780をマークし、Q2進出圏内に浮上する。だが、その後アタックを行った数台がこれを上回り、最終的に10位に後退。Q2進出は果たせなかったが、ポイント圏内の10位から明日の決勝をスタートすることとなった。
■千代 勝正コメント
「コースインのタイミングが悪く、集団の中に入ってしまったことが少し影響しました。タイヤは完全に温まり切れておらず、 セクター1で少しロスしました。しかし、それでもQ2進出は難しかったと思います。明日はポイント圏内からのスタートになりますが、さらに1ポイントでも多く獲得できるよう、戦略をしっかりと練って、ミシュランタイヤの強みも活かしてチームの全ての力を出し切るレースをしたいと思います」
2023 AUTOBACS SUPER GT Round 5
「SUZUKA GT 450km RACE」決勝レポート
SUPER GT 第5戦決勝、3号車Zは12位。ランキングトップは維持
8月27日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ
■決勝結果:12位 2h33'59.104 77周(千代→高星)
日曜日も鈴鹿は朝から真夏の暑さとなった。午後2時45分時点の気温は33℃、路面温度は50℃。予想通り、過酷な条件下で450kmのレースはスタートした。10番グリッドの3号車「Niterra MOTUL Z」のスタートドライバーは千代 勝正。厳しい条件での戦いとあって上位の順位に変動の少ない静かな幕開けとなったが、後方ではオープニングラップから動きがあった。順位を上げてきたのは3号車Zで、前方2台の競り合いの中で生まれた一瞬の隙を突いて1台をパス。千代は1ポイントでも多くのポイントを積み重ねる為に序盤からアグレッシブに攻めていく。
ドライバー同様、チームも攻めの戦略を遂行する。6周目という、非常に早い段階で1回目のピットイン。単独で走れる位置でコースインさせ、クリーンエアの中でタイムを稼ぐ作戦だ。これは奏功したかに見えた。GT500クラス全マシンが1回目のピットインを終えた30周目、3号車Zは3位にジャンプアップしていた。
ところがその後、後方からタイヤ交換を終えたばかりの数台が迫り、20周以上前にタイヤ交換した3号車Zはここからタフなレースを進めることになる。迫り来るライバル勢を巧みなディフェンスで抑え込んでいたが、34周目、ついに数台にオーバーテイクを許してしまう。残り周回を考えるとまだ2回目のピットインは引っ張らなければならない。ようやく2回目のピットインを行えたのは39周目。全マシンが2回目のピットを終えた55周目、3号車は14位まで後退していた。
第3スティントを担当した高星 明誠は第2スティントの状況を鑑み、序盤からタイヤをセーブするしかなかった。トラブルなくチェッカーを受けることでまだ、ポイント獲得の可能性があるからだ。そしてレース終盤、1台がトラブルで離脱し3号車Zは13位に浮上したが、チャンスはここで終了。レース後の車検で失格車両が出たことで最終順位は12位となったものの、ポイント獲得はならなかった。しかしながら、ランキングトップは維持。次のSUGOで今回の鬱憤を晴らしてくれるに違いない。
■千代 勝正コメント
「早めのピットインは、事前に想定していた戦略プランの一つでした。自力でのポイント獲得は難しいと考え、他とはあえて違うタイミングを選びました。序盤はその戦略が機能していましたが、第1スティントが短かったことで第2、第3スティントの周回数が多くなった中、思ったよりも路面温度が高くなり、タイヤのグリップが厳しくなりました。したがって後半の高星選手も、最初からタイヤをセーブしながら走らざるを得なくなりました。サクセスウェイトを考えると、厳しいレースになることは覚悟していましたが、その中で少しでもチャンスを広げようとチームで考えて実行した結果なので、ポイントを獲得することはできませんでしたが、次に繋がるトライであったと思います。次戦も引き続き厳しい条件の中での戦いとなりますが、タイトルに向けてしっかりと戦っていきます」